全国の原発54基中42基停止も

運転中の原発のうち、関西電力美浜3号機が数日中に定期検査に入る。8月までにさらに5基が定期検査で止まる見込み。中部電力浜岡4、5号機は政府の要請 で停止するが、検査中の原発が運転再開できない場合、被災地の原子炉を除く39基のうち夏までに浜岡原発を含め27基が止まる。被災地の15基を加えれば 停止中は42基で、全原発の発電能力の8割を占める。

 


中部電力、浜岡原発の全原子炉停止を発表

中部電力は14日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機の原子炉が停止したと発表した。13日には4号機も停止しており、すでに廃炉にすると 決まった1、2号機、定期点検中の3号機と合わせ、浜岡原発はすべての原子炉が停止した。中部電は首相要請を受けた原発の全面停止で、電力供給力の12% にあたる約360万キロワットを失った。今後火力発電を中心に、代替供給力の上積みを急ぐ。

 浜岡原発5号機は、14日未明から原子炉の炉心に制御棒を差し込み、核分裂反応を止める操作を開始。段階的に発電出力を落とした。

  本店(名古屋市)の中央給電指令所では、5号機の電力出力を示す数字が午前10時15分に「0」となり発電が停止。午後1時ごろには制御棒すべてを挿入し 終え、原子炉の運転が停止した。15日には原子炉が安定する温度である100度未満の「冷温停止」状態となる見通しだ。

 中部電は、防潮堤建設などの津波対策が完了する2、3年後に、運転を再開する意向を示している。

 浜岡原発の全面停止で、電力消費がピークとなる7月には電力不足が懸念される。このため中部電は、供給力を補う検討を本格化させる。

 休眠中の火力発電所の再稼働、燃料となる液化天然ガス(LNG)の安定調達、関西電力からの融通、政府への支援要請内容など課題は多く、電力供給は「綱渡りの状態」(水野明久・中部電社長)だ。

 

みんなも扇風機で節電するし、省エネ電化で電力に困らないので、2.3年後の運転再開はない。

2.3年後は、浜岡原発は廃炉です。

5月6日
浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)のすべての原子炉を停止するよう同社に要請したことを明らかにした。同原発周辺では30年以内にマグニチュード8程度 の東海地震が発生する確率が87%あり、重大事故が発生した場合に日本社会に与える重大な影響を考慮したことを理由として挙げた。

同原発は3号機が点検中 で、4、5号機が稼働している。
首相は浜岡原発の停止要請に踏み切った理由について「なんといっても国民の皆様の安全と安心を考えてのことであり、同時にこの浜岡原発で重大な事故が発生した場合には日本社会全体に及ぶ甚大な影響も合わせて考慮した結果だ」と語った。

ドイツ・2022年までに原発完全撤退

 

【ドイツ=田中聖香】ドイツ政府は2022年までに原発からの完全撤退を計画していることを、4日付の『ライニッシェ・ポスト』紙が報じた。福島の 原発事故後に稼動を一時停止した古いタイプの原発8基は凍結を続け、国内のその他9基の原発については2018年から2022年までに段階的に稼動を停止 させていくとしている。

メルケル首相は4月15日に野党を含む国内16州の首相らと協議し、原発稼動期間短縮で合意していたが、この時点で明確な期限は設定されていなかった。

同紙報道によると5月末の原子力倫理委員会、同安全委員会の最終答申を待って最終決定され、6月6日に原子力法改正案を閣議決定。10日に連邦議会で可決されれば、17日にも連邦参議院で承認される見込みという。

この場合、ドイツ政府は福島の原発事故からたった3カ月でエネルギー政策を180度転換しただけでなく、脱原発への具体的な歩みを始めたことになる。

ポスト原発の発電手段は、風力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電の拡大が中心になる。折りしも今月2日には北部メクレンブルク=フォア ポメルン州のバルト海に、大規模洋上風力発電施設「バルティック1」が、稼動を始めたばかり。発電機21機、48,3メガワットの容量を持ち、50000 世帯への電力供給を開始している。(2011年5月6日)

 

 

 

2034年までに「脱原発」=新設を禁止

5月26日(木)0時34分配信

【パリ時事】スイス政府は25日、福島第1原発事故を受けて原子力政策を見直し、将来的に「脱原発」を目指す方針を閣議決定した。新設を禁止し、国内4カ所で稼働している原子炉5基は耐用年数を迎える2034年までに順次廃止する。6月に議会で審議し、立法化の是非を決める。
 政府は声明で「原発のコストは今後上昇するとみられ、長期的には再生可能エネルギーの競争力に及ばない」との見解を示した。
 政府は福島原発事故後、原発の安全検査を指示。北部ベズナウ発電所など、老朽化が進んでいた原子炉3基の改修計画を即時凍結し、長期的なエネルギー政策の再検討に着手した。
 同国の原子力発電シェアは約4割。脱原発に伴い、省エネ推進や水力、再生可能エネルギー開発で対応するとしている。

 

スイス、原発新規建設を中断

 

【スイス=岩澤里美】スイスのドリス・ロイトハルトエネルギー相は14日、原子力発電所の3基の改修と新規建設を一時中断することを発表した。中断期間は未定。スイスでは現在5基の原子力発電所が稼動中で、国内全発電の40%を原発でまかなっている。

連邦原子力安全監査団が今回の日本の事故を踏まえ、冷却機能を中心に国内原発を再度見直して新しい安全基準を作ることを検討する。

稼動中の5基(最古は1969年から稼動開始)は震度7までを想定した設計で、スイスは大地震が起こる可能性は低いと言われるが、もしも安全基準を 高めることになったら安全度強化の改修には投入が困難なほどの多額の資金が必要となることもあり、古い原子力発電所は稼動停止しなければならないことが考 えられるという。

原子力発電の代替としては風力発電を挙げる声がある。また電気使用量が年々増加し続けているのは電気代が安すぎるためという声もあり、節電の一案として電気代値上げもありえるかもしれない。(ユナイテッド・フィーチャー・プレス)2011年3月15日(火)