エネルギー計画、白紙見直し=原発重視修正も-事故検証で3原則・首相会見

菅直人首相は10日夕、首相官邸で記者会見し、東京電力福島第1原発事故を受けた今後のエネルギー政策に関し「従来のエネルギー基本計画は白紙に戻し議論する必要がある」と述べ、原子力発電の推進を盛り込んだ現行計画を白紙で見直す考えを明らかにした。


  同計画は、原子力発電を含む二酸化炭素(CO2)を出さない「ゼロ・エミッション」の電源比率を2030年までに70%とするため、同年までに少なくとも 14基以上の原発を新増設するとしていた。

首相は「(太陽光や風力など)自然エネルギーと省エネルギーをもう二つの柱として、これまで以上の力を注いでいく」と述べ、これまでの原発重視の路線修正に意欲を示した。
 首相はまた、福島第1原発事故を検証する第三者委員会として「原子力事故調査委員 会」を近く発足させる考えを強調。検証作業に際しては、

 

(1)従来の原子力行政からの独立性

(2)国民や国際社会に事実を示す公開性

(3)技術分野だけで なく、制度や組織の在り方も含む包括性-を重視する方針を示した。


 中部電力浜岡原発の運転停止で電力供給が不足する可能性について、首相は「他 の電力会社、企業、国民にも協力いただくことでクリアできる」と否定。休止中の火力発電所の再稼働に伴うコスト増への支援を同社が求めていることに関して は「国もできるだけ協力する。どういう形でフォローできるかはこれからの話し合いによる」と述べた。